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美しいものに癒されるから、大切な時間は記録に残す。

ジャニーズ事務所を中心に、美しい人たちを愛でて現場や映画やTVの感想を綴っています。

(ネタバレあり)ジャニヲタ的感想、又吉直樹「劇場」

又吉直樹さんの新作「劇場」を読みました。

私は普段から新潮を読んでいるのではなく、

今回の話題作目当てで新潮4月号を購入したミーハーな人間です。

 

もう単行本になるのですね。

 

 

結末までネタバレしているレビューですのでご注意ください。

 

(ネタバレなしのあらすじ)

東京の小さな劇団「おろか」の劇作家の永田は、

ある日街で見かけた大学生・沙希に声をかけ、二人は交際を始める。

己の才能、劇団の運営、生活に苦しむ永田を沙希は献身的に支えるが・・・。

 

 

以下、結末までのネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

きっと映像化されるだろう、と思ったので最初から、

勝手に役者さんを当てて読んでました。

(勝手に配役決めてその映像で本を読むのが好きなのです。)

 

服飾系の大学に通い、女優志望で、明るく天真爛漫で、

優しく主人公を支える沙希は、

土屋太鳳ちゃんしか思い浮かばなくて、

ずっと太鳳ちゃんを当てて読んでいました。

 

主人公の永田は闇を抱えた、というか本人自身が闇な、

重たいキャラクター。

伊勢谷友介さんとか、森山未來さんとかハマりそうだけど、

ガッツリ「ぽい」人を当てて読んでいると本当にしんどい。

 

それで、

「そうだ、私ジャニヲタだし、ジャニーズの俳優さんを当てて読もう。」

と思い、

闇を抱え、女に寄生する淡々とクズいキャラクター・・・と、いうことで、

錦戸亮さん抜擢で読み進めることにしました。(褒めています)

 

最初はそんな風に勝手に俳優さんを当ててみたり、

話題作を読んでいる楽しさに浮かれながら読んでいたのだけど、

だんだん苦しくなってくる。

 

永田の闇はあまりにも大きく、

そして、

永田はきっとかつての又吉さんなのだと想像がつく。

 

闇を見つめ、その闇の奥へ奥へと進み、

全身に生傷を作って血を流しているような男。

そして関わる人たちにも、

同じくらいの生傷を作ってしまうような男。

 

そんな男性にへ心も身体もお金も、すべて捧げて支えて、

いつも笑っている子供のような、母のような沙希。

 

いや、しんどい、しんどいわ。

 

普通に、

「優しくて、穏やかで、

まあ食べるのには困らない程度の安定収入がある人がいいよねえ。」

なんて考えている、とても平凡な男性の好みの自分グッジョブと思った。

 

こんな人を支えて生きていたら、

自分の持っているものすべて吸い取られて、

抜け殻になって、最後は狂ってしまうよ・・・。

(主人公が仕事もせず、夜中から朝までサッカーゲームやりながら「朔太郎が出たら終わりやで」とかひとりごと言って、起きてきた彼女が「どっちが勝ったか後で教えてね!」と仕事に行くあたりとか、ほんとうにきもちわるいです。注:褒めています。)

 

と、ハラハラしていると、

やはり沙希は心を病んでしまい、強制終了で二人の日々は終わる。

 

 

この作品は、かつて愛した女神への恋文なのだと思った。

 

大人向けの恋愛小説なのに、

ベッドシーンどころかキスシーンもないことに少し違和感を感じていたけど、

そうか、モデルとなる女性がいるからなのだ、と理解した。

 

大切な、大切な、宝物のような女性なのだなあ・・と思った。

 

 

読んでいてストーリーの重さとは違う部分でずっと苦しくて、

どうして苦しいのだろうと思ったら、

 

自分宛ではない誰かへ書かれた真剣な恋文を、

のぞいて読んでしまったかのようなむずむずした重さとか、

 

あと、ジャニヲタ

(いくばくかの疑似恋愛感情のようなものを抱いて

芸能人を応援するシステムに属している者)としては、

又吉さんのファンの女性の気持ちを思うとしんどくて。

 

又吉さんのファンの方はもっと全然できた方々で、

そういう次元で気にしたりしないのかもなので、

すごく余計なお世話かもだけど、

どうしても自分たちの世界と置き換えてしまって、

 

もしジャニーズの誰かの、

こんなに芸術的に完成された、

でも、彼に心身すべてを捧げて、

愛し愛された女性の何年間が実在したことを

実感させられるような作品が世に出たら。

 

もちろん、もちろん、作品の素晴らしさは認めた上で、

ジャニヲタは凹みます。

 

300枚の短い物語だけど、

心に響くものとか、揺り動かされる感覚とか、そういうものは大きい。

 

ああ、苦しい、苦しいよ~、と思いつつ、

何度も読み返しています。

 

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